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あと一押しという感じだが

 島根原発3号機の運転開始に向けての手続きを始めたい中国電力、立地自治体である島根県や松江市と、「同等」の「安全協定」を締結させたい平井伸治鳥取県知事、この問題は4月5日の「同等と同様の違い」というタイトルのブログで書きました。

 連日のように動きのある島根・鳥取両県の地元新聞を送ってもらい、鳥取県と境港市、米子市の対応を注視しています。4月7日付けの山陰中央新報の「概要説明と申請は別」という記事にあるように、中電の概要説明は3者とも受け入れるものと思います。

 4月6日に退院した溝口善兵衛島根県知事も、「鳥取側の意見を入れた上で(中電に)回答していきたい」としているので、近く島根・鳥取両県知事の協議の場が設定されるようです。

 しかし、島根県の自民党には「ポスト溝口善兵衛」が頭にあるようです。ここで頑張ってほしいのは、平井伸治鳥取県知事です。「同様」ではなく、「同等」の「安全協定」にするために、頑固にその姿勢を貫いてほしいものです。

 今、この時点で「玉虫色」にしていたら、「同等」の壁は相当に高いものとなるでしょう。そのためにも、私たちの平井知事に対する応援というか、動きを強めることが重要です。

 自民党の原発推進の急先鋒である「電力安定供給推進議員連盟(電力安定議連)」の親分各が、島根県の細田博之議員ですし、鳥取県の石破茂議員もそうです。

 一方、4月11日の中国新聞は、上関原発について「工事再開困難に」と大見出しで書き、「新エネ計画 新増設明記せず」と報じました。4月10日に開催された経済産業省の「有識者会合」で、その方針を固めたというものです。

 しかし電力業界の業界紙、電気新聞は上関原発について、具体的には書いていません。2050年エネルギー戦略の提言骨子を5項目掲げています。それは次の通りです。
★エネルギー転換で脱炭素化
★あらゆる選択肢を追及する全方位の複線シナリオ採用
★再生可能エネルギーを経済的に自立した主力電源に
★原子力は依存度低減も脱炭素化の選択肢に
★石炭火力の発電効率向上、天然ガス火力への移行
としています。

 中電には、上関原発を気持ちはほとんど無いと思いますし、電力需要的にも、建設資金の面からも建設は不可能ですが、中国地方では大企業でも、電力会社の中では、地方の田舎電力会社、「新設」のシンボル的存在の上関原発の行方を自らが判断するような自主性は無いと思います。特に今の清水希茂社長には、そんな根性は無いでしょう。

 この問題でも、あと一押しだと思っています。この夏までには閣議決定されるであろう「エネルギー基本計画」、「建たない」とはみんなが思っていながらも、「建てたい、建てたい」と言ってズルズルと先送りをさせられることほど、大きな犯罪は無いと思います。


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今、必死になって読んでいる本

 今、必死になって読んでいる本、それは文藝春秋新社が出した「廃墟の光・甦えるヒロシマ」という、1961年に発刊されたロベルト・ユンクが作品で、原田義人さんが訳されました。

 でも今、読もうとしてもアマゾンで検索しても「在庫無し」になっています。大学教師の知人が図書館で借り、全部コピーしてくれました。ロベルト・ユンクはオーストリアのジャーナリストで、且つ運動家でもありました。1994年7月、81歳で亡くなっています。

 そのユンクさんが何度も広島に来て、彼の目線で多くの人を取材し、書きあげたものです。ユンクの代表作には「原子力帝国」というのがあり、これは数年前に再版されました。

 「原子力帝国」をユンクさんから直接頂き、見開きのところにはメッセージとともにサインも書いてある物を持っています。今では大切な宝物です。そのメッセージを、ドイツ語の分かる人に訳してもらおうとしましたが、その人もよく読み取れないような達筆で、書いてありました。

 僕がユンクに会ったの、たぶん1980年のことで、5回目の来日の時でした。今、考えればたいへん有名な人なのですから、それなりに意識してヒロシマのことなどを話せば良かったのでしょうけど、そんなことはほとんど考えもせず、いつもの調子で話したことは今思えば大後悔です。

 でも彼が、プロ野球・広島カープの応援歌のカセットテープが欲しいとのことだったので、購入したことはしっかりと覚えています。それが地元のユンク記念館に展示してあることは、ビックリでした。

 有名人といえば2015年にノーベル文学賞を受賞した、ベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシエービッチも平和公園を案内したことがあるのですが、まさかノーベル賞作家になるとは想像もせず、いつもの調子で話したのは、これまた後悔です。

 ユンクさんの書いた「廃墟の光・甦えるヒロシマ」は、部落差別のこと、プレスコードのこと、子供たちが受けた心の傷のことも書かれてあります。暴力団と警察、暴力団と進駐軍のつながりも書かれてあります。

 まさに凄い観察力で、その当時の広島の「臭い」が伝わってきます。それも人間の本性に迫り、生きることの執念を描いている、我慢できない臭いであったり、希望の風を感じる爽やかな匂いでもあります。

 ユンクも日本には5回来た人とはいえ、外国人です。しかし多くの人に取材し、自国に戻ってからも、広島で彼を支えた人の協力がありました。

 彼を広島で支えた人と、ユンクとの間に取り交わされた手紙などを元に、この夏にはもっとすごい本が出版されるようです。その人もユンクさんも、もうこの世の人ではありませんが。

溝口善兵衛さん退院

 毎朝、中国新聞を開いてから最初にチェックするのは、「知事往来」の欄です。知事とは、島根県知事の溝口善兵衛さんのことです。溝口さんは2月20日に食道がんのために東京の病院に入院され、2月23日に腫瘍の摘出手術をしました。退院の当初予定は3月20日と聞いていましたが、今日6日に退院され、9日から公務復帰とのことです。

 中国電力は島根原発3号機の運転開始の手続きのために、立地自治体の島根県知事と松江市長に、「運転開始のために、原子力規制委員会に申請を行います。了解をお願いします」との要請を行う手続きに入ろうとしていました。

 そこに溝口さんの入院ということになり、中電は退院・公務復帰を待ちわびていたようです。少なくとも表向きにはですが。

 中電の思惑としては、島根県知事への申し入れ、その後の4月16日に島根県議会の総務委員会で説明をしたいと思っていたようですが、公務復帰の直後に申し入れ、説明とはいかないだろうと思われます。

 そして4月はなんといっても新年度のスタートですし、県職員の人事異動も行われた直後です。でも中電としてはなるべく早く申し入れだけは行って、出来れば6月県議会で地元了解を得たいと考えていると思われます。

 来年春の統一自治体選挙では、島根県知事、県議会議員の選挙が行われる予定です。鳥取県も知事、県議会議員の選挙も予定です。

 一昨年の4月に、4期目の当選を果たした松浦正敬松江市長も選挙の前には、以外と島根原発の建設には慎重な姿勢を示していました。しかし選挙が終われば、その態度は積極推進になったように感じます。有権者にとっては原発が嫌われものですから、選挙前は慎重な発言をし、選挙が終われば本音が現れるというのは、よく見かけられる状況です。

 だからか知れませんが、現在の松浦市長は中電に理解を示し、早期申請を容認する一方で、溝口知事は電力需要が切迫していないことなどを理由に急ぐ必要はないとの見解を示しているようです。

 地元新聞によると、島根県幹部が「選挙が近づけば高度な政治判断を敬遠する可能性もある」との発言をしたという記事がありました。溝口知事は次回の選挙も出ることになると、4期目になります。前回の時も多選批判の声がありました。それに自らの健康問題もあると、不出馬も大いに考えられます。

 この原稿を書いていると、知事選挙に48歳の総務省官僚を推す動きがあるとの報道がありました。またもや、官僚出身です。

 中電は近いうちに手続きを行うでしょうけど、本気で島根県民のことを考えるのなら、溝口知事は英断を持って「島根原発ノー」を表明して欲しいものです。それが病気を再発させないためにも、最高の方法だと思うのですが。


同様と同等の違い

 新入社員ルックの若者を多く見かけます。週に二日ほど仕事をしている職場にも、10人を超える新入社員の男女が入ってきました。出来得るものなら、一生の仕事と思える職場であって欲しいと思います。孫を持つ身になって、この孫たちがどんな仕事に就くのだろうか、僕の思いは、大会社で無くても良いから、やりがいを感じられる仕事を選んで欲しいということです。

 4日、中国電力の清水希茂社長が鳥取県の平井伸治知事と会談、岩崎明正島根原子力本部長が、境港と米子の両市長と会談しました。その魂胆は、島根原発3号機の運転開始を目指す中電が、鳥取県を無視した行動を取り、平井知事から「何も説明を受けていない」と苦言をしたことへの、ご機嫌取りだと思います。

 米子市長と会談した場に立ちあっていた友人が、その時の様子のメモを送ってきてくれました。
 
 中電は、・3号機について話しをする機会を持ってほしい・2号機の審査で、基準地震動が確定した・3号機も共通なので申請に向かって準備は整い次第、動きをさせてほしい・安全協定に基づきしっかり対応する・立地自治体と同様に説明させていただきたい、などと発言しています。

 この立地自治体と「同様」と「同等」の違いが、大くせ者なのです。インターネットで「同様」を検索すると、同様は「ほとんど同じであること」とあります。同等は「まったく同じであること」とあります。

 「ほとんど同じであること」と、「まったく同じであること」というのが、大問題なのです。これに誤魔化されてはいけません。

 3月29日に、茨城県東海村にある東海第2原発について、東海村だけでなく周辺の5市が、「同等」の安全協定を結び、再稼働をする時など周辺の5市からの「事前同意」を必要とすることが決まりました。

 中電との会談の場で、伊木隆司米子市長は30キロ圏内の同意問題については触れませんでした。変わりにというと変ですが、関西電力の高浜原発のミサイルに関する司法判断が先日あってことについて、知識を常にアップデートしていくと、解ったような解らない発言をしています。市長の頭には、東海第2原発の安全協定は、まだアップデートされていないようです。

 会談後の記者会見では、当然に東海第2原発に関する質問がされました。それに対する市長の回答が、これまた理解が出来ないのです。・立地自治体と同様ということは、UPZ圏内に一定の安全性が求められるということ・我われも以前から、そのような(東海第2原発の今回の安全協定のこと)取り決めをしていた・地域固有の事情もある(地形、街の配置)、一律の基準ではなくて固有の安全協定を生みだしていく、と発言しています。

 東海第2原発の安全協定について、松浦正敬松江市長が「納得できない」と怒っていることを、米子市長も知っているのは当然でしょう。「同様」と「同等」の差は、まさに「月とスッポン」なのです。


東海第2原発の安全協定

 昨夜のNHKニュースで、日本原子力発電(原電)の東海第2原発の再稼働や延長運転に関し、立地自治体の東海村に加え、周辺5市の事前了解を必要とする安全協定が結ばれたということを報じていました。

 今朝の新聞にも、それなりのスペースを取って記事になっていました。ちょっと記事の内容を書き足しますが、「再稼働や延長運転の事前了解の対象が周辺自治体に広がり、明文化されたのは全国で初めてとなりました」とのことです。

 東海第原発の周辺には、日立、ひたちなか、那珂、常陸太田、水戸の5市があります。それらの市と、日本原子力発電、茨城県の3者が29日の夜、東海村役場で会合を開き、新協定に合意したというのです。

 島根原発でも中国電力は、松江市や島根県、その他の周辺自治体と安全協定を締結していますが、島根県と松江市との協定と、周辺自治体との協定は大違いです。

 大きな違いとは、再稼働などへ「イエス、ノー」をいう事前了解を必要とするか、「立入調査」を行う権利を立地自治体は持っていますが、周辺自治体には無いのです。中国電力は周辺自治体に対しても、「丁寧に説明します」とは言っておりますが、あくまでも「説明する」というレベルです。

 周辺自治体からは、「立地自治体と同じ協定を!」という要望がされていましたが、最後まで中国電力はそれを認めませんでした。現在、島根原発3号機の運転開始に向けての手続きに入りたいと、中国電力は手続きに入ることの「事前了解」を得ようとしていますが、了解を得ようとするのは島根県と松江市だけでした。

 島根原発の30㌔圏内の自治体は、島根県内では松江・出雲・安来・雲南、鳥取県内では境港・米子の各市があります。この度の事前了解手続きに関連して、耐震設計の目安となる基準地震動の評価が規制委員会の了承を得た際、3号機の申請手続きに言及したことに対して、鳥取県の平井伸治知事は中国電力に対し「説明をきちんと受けたことは今までない。一からていねいに話を聞く必要がある」と、中国電力の勇み足に苦言を呈していました。日ごろは周辺自治体にも丁寧に対応するようなポーズをしていますが、大事な時には蚊帳の外に置くというのが、この会社の基本的な体質なのです。

 ちょうど、この6月に予定されている株主総会の株主提案議案を書こうかなと思っている時でした。タイミングの良い時のニュースでした。

 しかし「安全協定」は紳士協定ですから、強制力は無いのです。そして協定の相手側は「紳士」と言えるかどうかについては、疑問もあるところですが、画期的なニュースだと思っています。


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