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小さなものが集まること

 5日~6日は連絡会議の交流総会で、岡山県津山市阿波へ行っておりました。以前は苫田郡阿波村でしたが、2005年2月に津山市に合併しました。中国山地の真っ只中にある地域で、山地からのオゾン酸素と阿波温泉を楽しみました。

 岡山県でもこの地域には、多くの水力発電所が存在しているところです。厳密な定義はないそうですが、水力発電所も10万kw以上の大水力から中・小・ミニ・マイクロまで在り、一般的に1万kwから3万kwまでを「中小水力発電」と呼ぶそうです。

 その中でも「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」の対象になっている出力1000kw以下を「小水力発電」と呼ぶこともあるそうです。1kw未満という極小規模発電は「ピコ水力」として分けられることがあり、「ピコ水力」という言葉、聞いただけでも「カワイイー!」という感じですね。

 岡山県は県全体をほぼ均等に縦に4等分するように、西から高梁川、真ん中に旭川、東に吉井川が流れています。この阿波地区は吉井川の上流になるところです。岡山県の中でも、この吉井川流域が水力発電所の一番多いところです。

 その中の阿波発電所を見学しました。最大出力360kwですから、一般家庭用で100戸分くらいの電力を産みだしているといって良い値でしょうか。昭和61年に運転開始をしたもので、普通の家よりも狭いくらいの建物の中からゴーと唸るような音が微かに聞えてきました。建物は木造でその屋根の部分には苔のようなものに覆われ、これぞ環境にマッチしているという感じでした。

 この度もらった水力発電所設備一覧パンフは、岡山県企業局が持っている発電所一覧でしたが、合計6万1430kwの最大出力という規模です。企業局が持っている発電から得る収入は、岡山県の収入になるものです。その他、小水力はJA(農協)とか、土地改良組合などが持っているのもあります。これらからの収入は、農協組合員らの臨時収入に分配されていると思います。

 発電所は発電設備のメンテナンスの他、秋になって落葉の葉っぱなどが送水管に詰まらないようにするとか、積雪地帯では雪が詰まることがないようにする対策が必要だと思います。

 これらの電気出力は小さなものですが、小さなものほど小回りが効くし故障しても360kwくらいなら、代替えはすぐに可能だと思います。100万kwのような原子力発電が故障すれば、その代替え発電を持ってくるだけでも、たいへんなことですから。

 今は発電した電力は、すべて中国電力に売っているのですが、今年4月から電力の自由化も本格化しました。新電力にも売れるようになれば、ますます興味深い展開になるのではと思いました。

 宿泊した阿波温泉は、中国山地からの木材を木質チップにして、これを使ったボイラーで温めていました。その設備も見せていただきましたが、木質チップを貯蔵しているところからは、とても良い木の香りがしてきました。



300から260へ

 「300から260へ」と書いても意味が分からないと思います。3~4日前のNHKのローカルニュースが、「中国電力は平均的な家庭の電力使用量を300kWhから260kWhに下げた」ということを報じていました。

 僕の見た限りでは、新聞でこのことを報じたものはありません。中国電力のホームページを探しても、プレス発表でこのことがタイトルになっているものは在りませんでした。

 調べてみると6月29日に発表した「平成28年8月分電気料金の燃料費調整について」というものの中に、そのことを探すことができました。燃料費調整というのは、財務省が発表するこの5月の貿易統計発表を基に、原油、石炭、LNGといった燃料価格に基づいて、電気料金が安くなったり高くなったりするというものです。

 この発表の中で、○従量電灯Aのお客さまのお支払額について、算定の元となる電気のご使用量を「1月あたり300kWh」から「1月あたり260kWh」へ見直しました。と書いてありました。

 この300から260への書き変えは、電気使用量が減っているということを現していると思います。節電意識と節電電化製品の普及により、電気の使用量が減ってきているのです。だから平均値も下がってきたのでしょう。

 電気を使ってもらって儲けている会社ですから、本音では「どんどん使ってください」と言いたいのですが、いくらなんでもそうは言えないというようです。

 この前まで、中国電力本店には「節電にご協力ください」という懸垂幕が下がっていました。しかし20日に本店へ行った時には、この懸垂幕が在りませんでした。中国経済産業局が「この夏は節電要請を行わない」としました。ようするに使ってくださいということです。

 同じく6月29日というこの日、中国電力は「電力供給計画」というのも発表しています。これを見てまたまた驚きでした。昨年度の8月の電力供給予備率(送電端)がなんと14.4%でした。今年度は19.2%という見込みです。電力使用量の最も多いといわれている夏8月に、19.2%も電気が余っているのです。

 予備率というのは、供給電力量から最大需要電力量を引いて、その余り電力量の割り合いのことです。僕たちは真夏では5%くらいで安心というように教わりました。多くみても8%もあれば、十二分です。それが19.2%、これは余り過ぎです。

 供給計画では、10年後の2025年度の予想も書いてありました。なんとなんとこの時には、22.1%もの予備率を掲げています。言っておきますが、この数字には上関1・2号も島根3号も供給量にないのです。

 この「燃料費調整」も「供給計画」も、株主総会が終わった翌日の発表でした。株主総会終了まで待っていたという、彼らの戦略が見えてきます。



節電は言わない

 28日の新聞に中国電力と中国経済産業局は、企業や家庭への「夏の節電要請見送り」という記事が載りました。理由は東日本大震災をきっかけに「節電が定着した」としていますが、「湯水のごとく電気を使っていただき儲けさせてください」という本音がミエミエです。

 発表では2010年並みの猛暑でも、供給余力を示す予備率は8月で13%を確保できるとしています。実は予備率13%というのは、すごい数字です。最低限度必要な予備率は3%ですから、メチャクチャ電気が余っているということです。

 もう忘れたかも知れませんが、昨年は猛暑を通り過ぎて「酷暑」とまで表現された暑さでした。それでも電気はあり余っていました。節電意識の浸透というだけでなく、節電電器製品の普及や、家庭で太陽光発電をつけるのが増えたことも大きく影響していると思います。

 これまで電気使用量の最も多い時刻は、夏の平日で午後2時~3時頃とされていました。しかしこの時刻は太陽光発電が発電していますし、最近は最高値が夕方から夜方向に移動しているようにも思います。専門的には「ピークシフト」と言いますが、そういう傾向にあります。

 そして昨日、中国電力は「中長期のエリア需給バランス見通し(8月、送電端)」というのを発表しました。これは昨年度の実績から、2025年度までの11年間の予想される最大需要電力量と供給電力量、供給予備力、供給予備率を示したものです。

 是非とも皆さんも視て頂きたいと思いますが、中国電力の発表ですら、ほとんど電力使用量は伸びないことを数字で示しています。先ほどの予備率では20%を超える数字が書いてあります。

 もう一度言いますが、これは電気の使用量が多くなって欲しいという中国電力の「皮算用」からはじき出された数字です。間違いなくこんな数字にはならないでしょう。これは「供給計画」というのですが、何年か前の予想最大電力使用量は昨年実績でみても、3割は増えることを予想していました。昨日の発表でも10年後にも達しません。たぶん下がると思います。

 これを視ただけでも島根原発は要りません。上関原発など逆立ちしても要りません。それでも「原発は必要」と言うために、様ざまな「屁理屈」を考えているようですが、数字が必要無いことを示していると思います。

 原発を建設したい自治体は「原発必要」と言ってますが、「電力供給…という使命を果たし社会に貢献したい」などという理由を聞いたためしがありません。「財政が厳しくなる」「雇用が失われる」という理由です。特に、既に原発が在りそこからのマネーに頼りきっている自治体は、「モロ」という感じです。自治体の長という人に言わせれば「立地」は「Rich」なんだそうです。

 よく使う言葉ですが、「今だけ、金だけ、自分だけ」の「3だけ主義」では、先がとても心配です。



検針員さんを失業させてはならない

 朝方、わが家の小さな庭を覗いていると、女性の検針員さんが隣りの家の電力計を見ていました。僕はてっきり電力メーターを見ているのだと思って、「新電力に切り替えたらスマートメーターになるし、やがて全部そうなるのですねえー」と話し掛けたら、その人は広島ガスの検針員さんでした。

 「私はガスの検針なんですが、ガスもスマートメーターになるのですよ」と言われました。僕はガスもだとは知りませんでした。「えー、そうなんですか。そしたら仕事が無くなるのですね」と話したら、「そうなんですよ。困ります」と、本当に困ったという感じで答えられました。

 スマートメーターになると、検針員さんの仕事は要らなくなります。自動的に会社にその値が送られるようになります。僕は電力の方に詳しいのですが、電力自由化で新電力会社に切り替えたら、その時点でスマートメーターを設置する必要があります。新電力に切り替えなくても、中国電力エリアでは、2023年までにすべての家庭の電力メーターがスマートメーターに切り替わることになっています。たぶん2023年よりも早く切り替わるだろうと、予想されています。

 920メガヘルツ帯という携帯電話と同じくらいの周波数の無線送信機で、電力会社に使用量が通知されることになっています。それも30分間隔で連絡されるのです。

 たぶんガスも同じ形だとは思いますが、電力よりガスの方が自由化が遅れている関係で、少しは遅れるのではという感じでしょうが、遅かれ早かれとは思います。

 欧米などでは電磁波による健康への心配や、30分間隔で電気の使用量が連絡されることへのプライバシーの問題などへの懸念も言われています。スマートメーターは「賢いメーター」ですから、「電力の見える化」や地域的な節電対策などでのメリットも在りますが、問題点も指摘されているのです。

 まあー僕も含めてほとんどの人が携帯電話のような物は常に持っている時代ですから、今さら電磁波による問題は言えないかも知れませんが、すべての家庭に携帯電話が1台増えるという感じになります。ガスもスマートメーターになれば、家によっては2台増えることになるのでしょう。

 しかし何よりも、検針員さんの仕事が無くなるというのは大きな問題だと思います。朝、話しかけた人も失業になるであろうことを一番心配していました。

 全国に何人ほど検針員という仕事をしている人がいるのかも知りませんが、検針という仕事が無くなっても、何らかの仕事を提供して生活を保障する必要があるのではないでしょうか。

 そして何といっても、マスコミは検針員さんが失業になるかもということを取り上げる必要があるのではないでしょうか。自由化では多くの新聞記事などを見ましたが、この問題を取り上げたものは見ていません。

松永安左ェ門

 雪でしたね。わが家の屋根や庭にも1~2センチほど積もっていました。朝早くから孫と雪だるまを作りました。子どもからは「私らとは、こんな遊びをしなかったのに、孫とはやるんだー」と言われます。そう言われれば、「違う」とは言えません。そんなものでしょうね。

 電力小売り自由化を前に、電力の鬼とも電力王とも呼ばれた、松永安左ェ門のことを書いた「まかり通る」という本を読んでいます。電力のことを語る時、この人物を忘れてはならないとまで言われてます。690ページの中にそれも上段、下段にびっちり書いてある長編ですから、そんなに早く読めるものではありません。でもいつもカバンの中に入れて、電車の中や待ち時間などに読んでいます。だから、待ち時間が嫌にならなくなっています。

 NHK連続ドラマの「あさが来た」を観ている人もおられると思いますが、松永安左ェ門の時代はこの時代です。明治から昭和までの時代を生きた人物で、連続ドラマに登場している人物がダブル部分もありますから、「あさが来た」ファンの方にも、ぜひとも読んだらとお薦めです。

 電力会社が「雨後の竹の子」のように作られ、そして統合され、また日本発送電が作られ、戦後の地域9電力会社となるまでの中で活躍した人物伝です。戦後は電力中央研究所を自らが設立し、理事長にもなり1971年に95歳で亡くなっています。

 この本の帯には次のことが書いてあります。
この本を読めば、仕事も人生も楽しくなる!
起業、女遊び、相場… 破天荒な生き方で大成功を収めるも、株暴落ですべてを失い隠遁生活へ。
2年後に再起、独自の経営哲学で事業を拡大し、大実業家として大成。
しかし官僚たちと大ゲンカの末、一切の職から引退して再び隠遁生活へ…。
戦後、不死鳥のようによみがえり、明治から昭和の95年間を生涯現役で押し通した男の生涯とは…。

 彼が生きていたら、この度の「電力小売り自由化」をどう見て、なにを発言をするだろうかと思います。

 最近、複数の人から4月から始まる「電力小売り自由化」で、どこを選ぶのが良いだろうかと訊ねられます。はっきりいって中国地方で電力小売りをしようとする新電力会社の中で、現時点で「お薦め」はありません。僕の「お薦め」基準は次のことです。
①電源構成や環境負荷などの情報を、一般消費者に開示していること。
②再生可能エネルギーの発電設備(FITをふくむ)からの調達を中心としていること。
③原子力発電所や石炭火力発電所からの調達はしないこと。
 (常時バックアップ分は除)
④地域や市民による再生可能エネルギー発電設備を重視していること。
⑤大手電力会社と資本関係がないこと(子会社や主要株主でない)。

 国内の中で、上の基準に合って推薦する会社は次のような会社でしょうか。
エヌパワー(愛知県清須市)  
エナジーグリーン(東京都新宿区)
うなかみの大地(千葉県旭市)
中之条電力(群馬県吾妻郡)
生活クラブエナジー(東京都新宿区)
湘南電力(神奈川県平塚市)
Looop(東京都文京区)
みんな電力(東京都世田谷区)
みやまスマートエネルギー(福岡県みやま市)
 中国地方でこれはお薦めというのが出来たら、このブログでも紹介したいと思いますが。

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