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どうしてもヒッカカッタ、ニュース原稿

 朝方にNHK広島が放送した中国地方向けのニュース、どうしてもひっかかってしまいました。「何を今さら、最近のNHKに期待するのが間違い」と言う人もいるでしょうけど、このニュース原稿を書いたと思われる記者を知っているので、どうもNHKはで決めつけることができません。

 ニュースの内容は、昨年の4月から電力小売り全面自由化が始まったが、12月2日現在、中国地方で中電から新電力会社に移ったのは1万1千件で中国地方の全契約口数529万件の0.2パーセントである。中国地方には44の新電力事業者が参入している。まあー、ここまでは何とか許せるでしょう。

 問題は次です。中電では島根原発2号機の再稼働が無い厳しい状況にも関わらず、他の電力会社のように電気料金の値上げもしないでいるから、中電から逃げる人が少ない、という決めつけです。

 そしてニュースは、この4月からガス事業も自由化されるが、中国地方では導管(ガスのパイプラインのこと)網が未発達なために、新たなガス事業者はいないだろうと結んでいました。

 まず、前半部の「何とか許せる」という部分ですが、この中では「教えて?」という部分が在るのです。移ったとしている1万1千という数ですが、中電の湯水のようなコマーシャルにより、何もしなかった顧客が中電を選べる電力会社の一つとして選択し、契約した数は含めているのでしょうか。中電社員の人から、その立場による会社からのプレッシャーで、数を増やすために自社を選択したということをよく聞くことがありますが、それにしてはとても少ない数字だと思います。

 この内容のニュースを書くのなら、福島原発事故後、原発に頼らない電気を選びたいという顧客の希望に応える新電力会社が、中国地方ではまだ無いといったことも、言うべきではないでしょうか。

 また一番ヒッカカッタのは、後半部の島根原発の再稼働が無いけど料金値上げをしなくて済んだというくだりです。島根原発の再稼働があれば、料金がもっと下げられるという、中電の宣伝文句をそのまま使っています。中電は電力会社の中でも原発比率が低いので、料金値上げをしなくて済んでいるというのが、正しいのではないでしょうか。

 電力需要がまったく伸びない中で、島根原発の再稼働に向けの「安全対策費」のために莫大な費用をつぎ込んでいるという状況や、福島原発事故対応費用を払わされることになろうとしている状況も、キチンと視て欲しいものです。

 そうは言っても天気情報も入れて5分間の中の、2分間くらいの枠ですから、様ざまな問題点を話すのは無理でしょう。それは理解できますから、せめて中国地方向けの金曜日午後7時30分からの枠の中でも、この問題を深めた番組を作って欲しいものです。

 そしていつも思うことですが、テレビやラジオというのは耳や目に入ったことが、すーと抜けてしまうのを残念に思っています。いつもメモ帳を持ってテレビ・ラジオに向き合っている訳ではありませんから。今朝のこのニュースも、3回目のラジオニュースで数字などをメモすることが出来ました。

小さなものが集まること

 5日~6日は連絡会議の交流総会で、岡山県津山市阿波へ行っておりました。以前は苫田郡阿波村でしたが、2005年2月に津山市に合併しました。中国山地の真っ只中にある地域で、山地からのオゾン酸素と阿波温泉を楽しみました。

 岡山県でもこの地域には、多くの水力発電所が存在しているところです。厳密な定義はないそうですが、水力発電所も10万kw以上の大水力から中・小・ミニ・マイクロまで在り、一般的に1万kwから3万kwまでを「中小水力発電」と呼ぶそうです。

 その中でも「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」の対象になっている出力1000kw以下を「小水力発電」と呼ぶこともあるそうです。1kw未満という極小規模発電は「ピコ水力」として分けられることがあり、「ピコ水力」という言葉、聞いただけでも「カワイイー!」という感じですね。

 岡山県は県全体をほぼ均等に縦に4等分するように、西から高梁川、真ん中に旭川、東に吉井川が流れています。この阿波地区は吉井川の上流になるところです。岡山県の中でも、この吉井川流域が水力発電所の一番多いところです。

 その中の阿波発電所を見学しました。最大出力360kwですから、一般家庭用で100戸分くらいの電力を産みだしているといって良い値でしょうか。昭和61年に運転開始をしたもので、普通の家よりも狭いくらいの建物の中からゴーと唸るような音が微かに聞えてきました。建物は木造でその屋根の部分には苔のようなものに覆われ、これぞ環境にマッチしているという感じでした。

 この度もらった水力発電所設備一覧パンフは、岡山県企業局が持っている発電所一覧でしたが、合計6万1430kwの最大出力という規模です。企業局が持っている発電から得る収入は、岡山県の収入になるものです。その他、小水力はJA(農協)とか、土地改良組合などが持っているのもあります。これらからの収入は、農協組合員らの臨時収入に分配されていると思います。

 発電所は発電設備のメンテナンスの他、秋になって落葉の葉っぱなどが送水管に詰まらないようにするとか、積雪地帯では雪が詰まることがないようにする対策が必要だと思います。

 これらの電気出力は小さなものですが、小さなものほど小回りが効くし故障しても360kwくらいなら、代替えはすぐに可能だと思います。100万kwのような原子力発電が故障すれば、その代替え発電を持ってくるだけでも、たいへんなことですから。

 今は発電した電力は、すべて中国電力に売っているのですが、今年4月から電力の自由化も本格化しました。新電力にも売れるようになれば、ますます興味深い展開になるのではと思いました。

 宿泊した阿波温泉は、中国山地からの木材を木質チップにして、これを使ったボイラーで温めていました。その設備も見せていただきましたが、木質チップを貯蔵しているところからは、とても良い木の香りがしてきました。



300から260へ

 「300から260へ」と書いても意味が分からないと思います。3~4日前のNHKのローカルニュースが、「中国電力は平均的な家庭の電力使用量を300kWhから260kWhに下げた」ということを報じていました。

 僕の見た限りでは、新聞でこのことを報じたものはありません。中国電力のホームページを探しても、プレス発表でこのことがタイトルになっているものは在りませんでした。

 調べてみると6月29日に発表した「平成28年8月分電気料金の燃料費調整について」というものの中に、そのことを探すことができました。燃料費調整というのは、財務省が発表するこの5月の貿易統計発表を基に、原油、石炭、LNGといった燃料価格に基づいて、電気料金が安くなったり高くなったりするというものです。

 この発表の中で、○従量電灯Aのお客さまのお支払額について、算定の元となる電気のご使用量を「1月あたり300kWh」から「1月あたり260kWh」へ見直しました。と書いてありました。

 この300から260への書き変えは、電気使用量が減っているということを現していると思います。節電意識と節電電化製品の普及により、電気の使用量が減ってきているのです。だから平均値も下がってきたのでしょう。

 電気を使ってもらって儲けている会社ですから、本音では「どんどん使ってください」と言いたいのですが、いくらなんでもそうは言えないというようです。

 この前まで、中国電力本店には「節電にご協力ください」という懸垂幕が下がっていました。しかし20日に本店へ行った時には、この懸垂幕が在りませんでした。中国経済産業局が「この夏は節電要請を行わない」としました。ようするに使ってくださいということです。

 同じく6月29日というこの日、中国電力は「電力供給計画」というのも発表しています。これを見てまたまた驚きでした。昨年度の8月の電力供給予備率(送電端)がなんと14.4%でした。今年度は19.2%という見込みです。電力使用量の最も多いといわれている夏8月に、19.2%も電気が余っているのです。

 予備率というのは、供給電力量から最大需要電力量を引いて、その余り電力量の割り合いのことです。僕たちは真夏では5%くらいで安心というように教わりました。多くみても8%もあれば、十二分です。それが19.2%、これは余り過ぎです。

 供給計画では、10年後の2025年度の予想も書いてありました。なんとなんとこの時には、22.1%もの予備率を掲げています。言っておきますが、この数字には上関1・2号も島根3号も供給量にないのです。

 この「燃料費調整」も「供給計画」も、株主総会が終わった翌日の発表でした。株主総会終了まで待っていたという、彼らの戦略が見えてきます。



節電は言わない

 28日の新聞に中国電力と中国経済産業局は、企業や家庭への「夏の節電要請見送り」という記事が載りました。理由は東日本大震災をきっかけに「節電が定着した」としていますが、「湯水のごとく電気を使っていただき儲けさせてください」という本音がミエミエです。

 発表では2010年並みの猛暑でも、供給余力を示す予備率は8月で13%を確保できるとしています。実は予備率13%というのは、すごい数字です。最低限度必要な予備率は3%ですから、メチャクチャ電気が余っているということです。

 もう忘れたかも知れませんが、昨年は猛暑を通り過ぎて「酷暑」とまで表現された暑さでした。それでも電気はあり余っていました。節電意識の浸透というだけでなく、節電電器製品の普及や、家庭で太陽光発電をつけるのが増えたことも大きく影響していると思います。

 これまで電気使用量の最も多い時刻は、夏の平日で午後2時~3時頃とされていました。しかしこの時刻は太陽光発電が発電していますし、最近は最高値が夕方から夜方向に移動しているようにも思います。専門的には「ピークシフト」と言いますが、そういう傾向にあります。

 そして昨日、中国電力は「中長期のエリア需給バランス見通し(8月、送電端)」というのを発表しました。これは昨年度の実績から、2025年度までの11年間の予想される最大需要電力量と供給電力量、供給予備力、供給予備率を示したものです。

 是非とも皆さんも視て頂きたいと思いますが、中国電力の発表ですら、ほとんど電力使用量は伸びないことを数字で示しています。先ほどの予備率では20%を超える数字が書いてあります。

 もう一度言いますが、これは電気の使用量が多くなって欲しいという中国電力の「皮算用」からはじき出された数字です。間違いなくこんな数字にはならないでしょう。これは「供給計画」というのですが、何年か前の予想最大電力使用量は昨年実績でみても、3割は増えることを予想していました。昨日の発表でも10年後にも達しません。たぶん下がると思います。

 これを視ただけでも島根原発は要りません。上関原発など逆立ちしても要りません。それでも「原発は必要」と言うために、様ざまな「屁理屈」を考えているようですが、数字が必要無いことを示していると思います。

 原発を建設したい自治体は「原発必要」と言ってますが、「電力供給…という使命を果たし社会に貢献したい」などという理由を聞いたためしがありません。「財政が厳しくなる」「雇用が失われる」という理由です。特に、既に原発が在りそこからのマネーに頼りきっている自治体は、「モロ」という感じです。自治体の長という人に言わせれば「立地」は「Rich」なんだそうです。

 よく使う言葉ですが、「今だけ、金だけ、自分だけ」の「3だけ主義」では、先がとても心配です。



検針員さんを失業させてはならない

 朝方、わが家の小さな庭を覗いていると、女性の検針員さんが隣りの家の電力計を見ていました。僕はてっきり電力メーターを見ているのだと思って、「新電力に切り替えたらスマートメーターになるし、やがて全部そうなるのですねえー」と話し掛けたら、その人は広島ガスの検針員さんでした。

 「私はガスの検針なんですが、ガスもスマートメーターになるのですよ」と言われました。僕はガスもだとは知りませんでした。「えー、そうなんですか。そしたら仕事が無くなるのですね」と話したら、「そうなんですよ。困ります」と、本当に困ったという感じで答えられました。

 スマートメーターになると、検針員さんの仕事は要らなくなります。自動的に会社にその値が送られるようになります。僕は電力の方に詳しいのですが、電力自由化で新電力会社に切り替えたら、その時点でスマートメーターを設置する必要があります。新電力に切り替えなくても、中国電力エリアでは、2023年までにすべての家庭の電力メーターがスマートメーターに切り替わることになっています。たぶん2023年よりも早く切り替わるだろうと、予想されています。

 920メガヘルツ帯という携帯電話と同じくらいの周波数の無線送信機で、電力会社に使用量が通知されることになっています。それも30分間隔で連絡されるのです。

 たぶんガスも同じ形だとは思いますが、電力よりガスの方が自由化が遅れている関係で、少しは遅れるのではという感じでしょうが、遅かれ早かれとは思います。

 欧米などでは電磁波による健康への心配や、30分間隔で電気の使用量が連絡されることへのプライバシーの問題などへの懸念も言われています。スマートメーターは「賢いメーター」ですから、「電力の見える化」や地域的な節電対策などでのメリットも在りますが、問題点も指摘されているのです。

 まあー僕も含めてほとんどの人が携帯電話のような物は常に持っている時代ですから、今さら電磁波による問題は言えないかも知れませんが、すべての家庭に携帯電話が1台増えるという感じになります。ガスもスマートメーターになれば、家によっては2台増えることになるのでしょう。

 しかし何よりも、検針員さんの仕事が無くなるというのは大きな問題だと思います。朝、話しかけた人も失業になるであろうことを一番心配していました。

 全国に何人ほど検針員という仕事をしている人がいるのかも知りませんが、検針という仕事が無くなっても、何らかの仕事を提供して生活を保障する必要があるのではないでしょうか。

 そして何といっても、マスコミは検針員さんが失業になるかもということを取り上げる必要があるのではないでしょうか。自由化では多くの新聞記事などを見ましたが、この問題を取り上げたものは見ていません。

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