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「被爆体験者」?

 長崎には「被爆体験者」というのがあります。よく理解できない言葉というか定義でした。被爆を体験しているけど被爆者では無い、じゃあなんだ「被爆体験者」、体験していたら被爆者ではないのか、堂々巡りのような議論です。

 その「被爆体験者」は、被爆者健康手帳がもらえていません。そこで起こされた手帳の交付を求める裁判、昨日長崎地裁で判決が出ました。161人の「被爆体験者」が起こした裁判、すでに9人の方は亡くなられていますが、10人に対して手帳を交付するようにとの判決でした。

 長崎市の場合、そもそもの大きな前提に長崎市が縦に長いというのがあります。爆心地から南北では約12km以内の範囲が、手帳を取得できる地域ですが、東西では約7km以内となっています。行政上の長崎市がそうだからということで線が引かれているのです。

 この度の裁判は、東西方向の7km以上、12km以内の場所で被爆した人が起こしたものです。判決はこの枠の中で被爆した10人について、手帳を交付するようにとの判断でした。

 この判決は、被爆放射線量が25㍉シーベルト以上というのが根拠になっています。25㍉シーベルトという数字はかなり高い線量です。一般人の年間許容被ばく線量は1㍉シーベルトですから、25倍です。

 そしてちょっと難しい言葉を使うかもしれませんが、この放射線量は身体の外部から受けた値です。内部被ばくというのも考えなくてはなりません。食べ物によって、ほこりなどの粉じんを吸い込んで身体の中から被ばくする、内部被ばくも考えなくてはなりません。しかし、25という数字が「高い、低い」を言い合っていても延々と続くと思います。

 ほぼ丸い形の広島市では、この手の問題は起きないのかと思われるかも知れませんが、広島原爆では風向きの関係からだと思いますが、どちらかと言えば爆心地から東側、または南東側の放射線量は少な目で、北西側の放射線量は高いとされています。その北西側の先に「黒い雨地域」というのがあります。もちろん長崎でも「黒い雨地域」というのがありますが、広島では「黒い雨地域」で被ばくした人の裁判が起こされています。

 場所(地域)にするか、放射線量にするか、行政の判断は今でも場所になっています。それが放射線量で判断したというのは、その意味では新たなものです。

7 0年以上も経って今さらという思いを持つ人や、被爆者でない人なら関心が無いかもしれませんが、福島原発事故での汚染廃棄物のことも、行政は画一的に地域で「OK・NG」を判断していますから、その意味ではとても興味深い判決でした。

 この「被爆体験者」の裁判は、第一陣の裁判もあります。第一陣は2012年6月に訴えた人の全面敗訴となりました。今、控訴審が福岡高裁で行われていて、この3月28日に控訴審判決が出されることになっています。福岡高裁もこの度の25㍉シーベルト以上を適用すれば、原告約350人のうち100人に手帳交付という勝訴判決が下されることになると思われます。

 この度の長崎地裁の判決を福岡高裁がどう考えるか、とても関心のあるところです。



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