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チェルノブイリとフクシマのお母さん

 チェルノブイリ原発事故から10年後の1996年、チェルノブイリ周辺のベラルーシとウクライナを訪ねたことがあります。この年、あまり間隔をおかずに2度ほど行きました。

 チェルノブイリ原発の近くのベラルーシに、ウクライナとの国境近くにゴメリ市というところがあります。ここの町の小学校だと覚えていますが、お母さんらとのミーティングに参加しました。

 その中である人が話した言葉、今も忘れていません。「毎日、毎日チェルノブイリ事故のことを思って悩んだりしている訳ではないけど、頭の片すみにはいつも事故のことが在る」というものでした。とても素直な気持ちを話されたと思っていました。

 福島原発事故から3年8か月が過ぎましたが、今でも事故は継続状態中です。福島第一原発には、毎日6000人を超える人が働いていると言われてます。そして広島にもですが、フクシマから避難している人もたくさんいます。ここで「フクシマ」と書いたのは、福島原発事故の被害者総体を指す意味からカタカナにしました。東京を始め関東地方全体からも避難している人もいます。マスコミも「汚染水」から、いくらいくらの放射能が検出されたというニュース報道しますが、避難している人の思いや悩みについては、あまり報道しないように思います。

 避難者に対して「関東地方から避難しているなんて、まあー贅沢ですよねー」ということを言う人がいます。もちろん本人らに直接言うのはありませんが、もっとズバリと痛烈なる嫌味を言う人もいます。「○○ミリシーベルトですから、健康に問題はありません」「気にしているから病気になるのです」とかの言葉を投げかけられると、避難者の人は、心配していてもだんだんと無口になり黙って悩む人も出てくることになります。

 それはやがてフクシマの人たちの中に、分断と差別を生み出してきます。ヒロシマ・ナガサキの場合でも、被爆二世・三世問題では特に親である被爆者本人も相当に心配し苦しみました。しかし、この悩みをだれかれとには話せなかった経緯があります。

 福島原発事故当時18歳未満の人たちは、18歳を越えても甲状腺検査を国が責任を持って無料で行うようにとの要求運動があります。僕は当然の要求だと思います。しかし一方で差別と分断を生むから、この要求運動はけしからんという意見もあります。

 このことでは、夫婦や親子の間でも意見や考えの違いが生じていて、それで離婚したりする例もあるそうです。このことはチェルノブイリ近くのゴメリのお母さんもフクシマのお母さんも、ヒロシマ・ナガサキでもあったことだと思います。

 国や評論家という人が「問題無い」を繰り返すほど被災者の人はダンマリになり、悩みが内にこもってしまい大きな悲劇が起こることも予想されて心配です。とりあえずは何でも話せるような、聞いてもらえるような場所というかスペースを作ることが必要ではないでしょうか。

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