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国民春闘と言っていた頃

 僕が、労働組合の分会役員をしていた頃、春闘は国民春闘と名付けられていました。言ってることと本音は別にして、自らの賃上げやボーナス要求だけでなく、国民生活全体の改善のために、年金や老後保障の要求を掲げて闘われたと思います。労働組合が社会的存在だという態度を、表すためにです。

 だから、賃上げ交渉など会社内の要求が妥結しても、闘争体制は継続して、対政府交渉などを行っていました。なかなか、その要求実現には至りませんでしたが、国民の支持を受けるからこそ、労働組合も存在できるのだという姿勢だった思います。

 もっとさかのぼれば、ベトナム戦争に反対するストライキが行われたこともあったと思います。僕が社会人になる前のことだと思いますが。

 今年の春闘では、久しぶりにベースアップ要求が行われました。マスコミは7年ぶりのベースアップ要求だとも書きました。そしてトヨタなどの業績好調の企業では、「満額回答」という言葉も出てきました。

 しかしベースアップ要求をし、それが実現できたのは一部の大手企業だし、それも労働組合に加盟している(加盟できる)人たちだけが、その恩恵を受けることになったと思います。

 今年の春闘のことを「官制春闘」とも言われます。消費税の値上げと、デフレからの脱却と、物価上昇を政策とした安部政権は、「賃上げをするように」との要請を、経済界に行いました。政府の言うことには逆らえない大企業は、「官・労・使」が一緒になって、「パフォーマンス春闘」とも「春闘劇場」とも形容されるものを演じました。

 この4月から消費税が上がります。僕は、今年中の物価は消費税と便乗値上げなどによって4%の物価上昇があるものと予想しています。100円だったら4円ですが、1万円だったら400円、10万円だったら4000円です。この4%という数字は、まさに狂乱物価とも言えるほどの上昇です。

 これは当然予想されたのですが、労働組合の要求は1%でした。3000円とかいう数字でした。値下げされながらも、その要求を「勝ち取って」要求実現が達成したと勝利宣言を行う浅はかさと言うか、馬鹿さというか、人の良さについて、その人たちの頭の中身を疑います。

 それも、一部の大手企業の、それも正社員が中心です。今や、40%になったと言われる非正規の人たちは、まったくの対象外におかれています。逆に企業は、正社員に対して賃上げをした分を取り戻すために、非正規の人たちに対して、賃下げ圧力を強めることも予想されます。

 「国民春闘」という言葉は、過去の遺物なのでしょうか。縄文土器のようなものなのでしょうか。

 原発の再稼動反対、非正規雇用の人たちの賃上げを要求して、ストライキが行われるというようなことは、夢の夢なのでしょうか。労働組合が、社会的な存在として国民全体から尊敬に値する存在になるためには、これぐらいのことを行っても良いのではないかと思うのですが。

 「スト権スト」というのがありました。当時の国鉄や電電公社という、ストライキ権が認められていなかった公共企業体の組合が、1975年11月25日から12月3日までの9日間のストを行いました。
スト権を奪い返すことなく、ストライキは収拾されましたが、ストライキが終了して、いざ国鉄の列車を動かそうとした時、9日間の間に線路のレールに錆が出てきて、すぐには列車が動かせなかったというのが、とても印象的なことです。



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