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電力会社に自主性は無いの

 電力会社に自主性は無いのですかと訊ねたら、「そうですよ。マスコミも原発は国策民営と言ってるじゃあないですか」とかえってくるかも知れませんね。

 しかし改めて基本的な考えに戻りますが、あくまでも原発を作り動かすのは事業者である電力会社の判断です。このことを曖昧にして置くと、誰もが責任を取らない無責任体質を認めることになると思います。

 国は「できればやってください。でも経営判断は電力会社ですよ」という立場なので、何かあっても電力会社の責任ですし、それらに伴うコストは電力会社の負担が建て前です。しかし実際はいろんな形で政府が補助金を出したり、様ざまな支援の肩代わりをしていますが、それはきちんとした法律になっている制度でもありません。少なくとも現時点では!

 なぜこんなことを思ったのかと言いますと、1月6日に中国電力の苅田知英会長、清水希茂社長らが山口県庁と上関町役場へ行き、村岡嗣政山口県知事と柏原重海町長と会っているという新聞記事を見た時です。

 社長らが年始のあいさつに行くというのは毎年の恒例になっていますが、上関町長とのあいさつの中で「古い原子力が廃止される中、日本で唯一の新規地点の上関は非常に重要…」と述べたという部分です。もちろん僕がその場所に同席していたわけでは在りませんし、新聞記事だけで読んだものです。

 これを見て、なんとも「自主性の無さ」を実感しました。このあいさつの中に、『中国電力』が見えないのです。まず「古い原子力が廃止されるなか」これは全国的な動きですし、国の判断でそう動いたものです。

 そして「日本で唯一の新規地点である上関…」の部分、中国電力としての強い思いというか覚悟というか、泥臭ささのような自主性が全く受け取れないのです。まさに究極の建て前です。

 いつも言ってることですが、上関町長にしても上関原発が建とうが建つまいが、「止めた」という状況にならなくて「建てたい」という状況が続くことであれば、様ざまな「恩恵」を受けられるということで良いと思っていることでしょう。しかし地元で反対運動をしている人にとっては、堪ったものではありません。

 中国電力は発送電分離・小売り自由化に対応して、来年春の新規採用者を増員させるそうです。一方で上関原発工事事務所には約50人もの職員を置いて、無駄メシを食わせています。清水社長は、地元での理解活動や新規制基準に対応するためのデータ収集をしているそうですが、人口3千人台の上関町でこんなに多くの職員はいらないでしょう。まずもって、僕のように暇なのが好きな人以外は、働いている人のテンションも上がらないでしょうね。

 2月1日は中国電力の定期人事異動日です。上関事務所の人員がどうなるか、これも関心の一つです。

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発送配電の分離

 1月5日の中国新聞が一面トップで「送配電部門を分社化 中電が検討5000人規模」という見出しで記事を書いていました。たぶんスクープという感じで書いたのでしょうけど、中味は薄かったですね。スクープに重点が置かれすぎていて、そちらを優先したなと一瞬思いました。それが悪いと言ってるわけではありませんが。

 新聞記事を読んでいない方もあるでしょうから、中文を書いておきます。
 中国電力が、発電所から家庭や事業所に電気を送る業務を担う送配電部門を100%子会社として分社化する検討をしていることが4日、分かった。国が全国の大手電力に2020年4月までに求めている「発送電分離」に対応する。新会社の従業員は約5千人と、全従業員の半数に上る規模になるとみられる。 
と、こんな文章です。

 昨年4月から全面的な電力小売り自由化になりました。少し時間的な経過を書いておきますが、福島原発事故により13年4月に「電力システムに関する改革方針」が閣議決定され、15年4月に全国の電力融通を指揮する広域的運営推進機関が設立されました。北海道から九州まで、地域間の電力融通が行われるようになったのです。今までの中電は原則的に中国地方に電力を供給するという方式を、全国の送電線網を使って全国に融通させるというものでした。

 原則としてと書いたのは、「売買電」というのが在りますが、中電の電気を関西電力に売ったり、逆に関西電力から買うというのがありました。しかし、送電線は繋がっていても、日本列島は周波数が西は60ヘルツ、東は50ヘルツという壁が在り、「周波数変換」という課題が在りました。これを第一段階の電力システム改革といいました。

 そして昨年4月からの小売り自由化が、第二段階の改革とされました。そして第三段階の改革というのが、2020年4月から行われる予定の、発送電分離です。

 第二段階の小売り自由化と、第三段階の発送電分離は大きく関わりが在ります。小売り自由化によって新電力会社がたくさん誕生しました。新しい発電会社も出てきましたが、電気は送配電線を使って消費者に届けられるのです。しかし、この送配電線網を持っているのは中国地方では中電です。新電力は中電に託送料という使用料を払って商売をすることになります。

 この送配電部門を分社化するという中電の方針が分かったというのが、5日の新聞記事でした。この発送電分離の形態には、いくつかの形態が考えられますが、僕の考えを先に言っておきますと、「所有権分離」という形にしなくてはと思っています。新電力もたくさん誕生しているのですから、平等に送配電会社に繋がり、負担もサービスも「エコヒイキ」されないように切り離し、新規参入企業も送配電網を公平に使えるようにする必要があると思います。

 分離の形には、東京電力でやっているような持ち株会社が頭に立つ子会社方式、中電が検討しているという子会社の形があります。また会計分離、機能分離というのも考えていました。しかし子会社の形態では、どうしても中電のような大手電力の独占という、これまでの形に変わりません。

 小売り自由化は送配電の分離がきちんとなることによって、成功すると思っています。なし崩し的に今までの状態になるのであれば、意味がありません。
 この問題、省ちゃんの前向き語りでも書いていきたいと思っています。

どうしてもヒッカカッタ、ニュース原稿

 朝方にNHK広島が放送した中国地方向けのニュース、どうしてもひっかかってしまいました。「何を今さら、最近のNHKに期待するのが間違い」と言う人もいるでしょうけど、このニュース原稿を書いたと思われる記者を知っているので、どうもNHKはで決めつけることができません。

 ニュースの内容は、昨年の4月から電力小売り全面自由化が始まったが、12月2日現在、中国地方で中電から新電力会社に移ったのは1万1千件で中国地方の全契約口数529万件の0.2パーセントである。中国地方には44の新電力事業者が参入している。まあー、ここまでは何とか許せるでしょう。

 問題は次です。中電では島根原発2号機の再稼働が無い厳しい状況にも関わらず、他の電力会社のように電気料金の値上げもしないでいるから、中電から逃げる人が少ない、という決めつけです。

 そしてニュースは、この4月からガス事業も自由化されるが、中国地方では導管(ガスのパイプラインのこと)網が未発達なために、新たなガス事業者はいないだろうと結んでいました。

 まず、前半部の「何とか許せる」という部分ですが、この中では「教えて?」という部分が在るのです。移ったとしている1万1千という数ですが、中電の湯水のようなコマーシャルにより、何もしなかった顧客が中電を選べる電力会社の一つとして選択し、契約した数は含めているのでしょうか。中電社員の人から、その立場による会社からのプレッシャーで、数を増やすために自社を選択したということをよく聞くことがありますが、それにしてはとても少ない数字だと思います。

 この内容のニュースを書くのなら、福島原発事故後、原発に頼らない電気を選びたいという顧客の希望に応える新電力会社が、中国地方ではまだ無いといったことも、言うべきではないでしょうか。

 また一番ヒッカカッタのは、後半部の島根原発の再稼働が無いけど料金値上げをしなくて済んだというくだりです。島根原発の再稼働があれば、料金がもっと下げられるという、中電の宣伝文句をそのまま使っています。中電は電力会社の中でも原発比率が低いので、料金値上げをしなくて済んでいるというのが、正しいのではないでしょうか。

 電力需要がまったく伸びない中で、島根原発の再稼働に向けの「安全対策費」のために莫大な費用をつぎ込んでいるという状況や、福島原発事故対応費用を払わされることになろうとしている状況も、キチンと視て欲しいものです。

 そうは言っても天気情報も入れて5分間の中の、2分間くらいの枠ですから、様ざまな問題点を話すのは無理でしょう。それは理解できますから、せめて中国地方向けの金曜日午後7時30分からの枠の中でも、この問題を深めた番組を作って欲しいものです。

 そしていつも思うことですが、テレビやラジオというのは耳や目に入ったことが、すーと抜けてしまうのを残念に思っています。いつもメモ帳を持ってテレビ・ラジオに向き合っている訳ではありませんから。今朝のこのニュースも、3回目のラジオニュースで数字などをメモすることが出来ました。

小さなものが集まること

 5日~6日は連絡会議の交流総会で、岡山県津山市阿波へ行っておりました。以前は苫田郡阿波村でしたが、2005年2月に津山市に合併しました。中国山地の真っ只中にある地域で、山地からのオゾン酸素と阿波温泉を楽しみました。

 岡山県でもこの地域には、多くの水力発電所が存在しているところです。厳密な定義はないそうですが、水力発電所も10万kw以上の大水力から中・小・ミニ・マイクロまで在り、一般的に1万kwから3万kwまでを「中小水力発電」と呼ぶそうです。

 その中でも「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」の対象になっている出力1000kw以下を「小水力発電」と呼ぶこともあるそうです。1kw未満という極小規模発電は「ピコ水力」として分けられることがあり、「ピコ水力」という言葉、聞いただけでも「カワイイー!」という感じですね。

 岡山県は県全体をほぼ均等に縦に4等分するように、西から高梁川、真ん中に旭川、東に吉井川が流れています。この阿波地区は吉井川の上流になるところです。岡山県の中でも、この吉井川流域が水力発電所の一番多いところです。

 その中の阿波発電所を見学しました。最大出力360kwですから、一般家庭用で100戸分くらいの電力を産みだしているといって良い値でしょうか。昭和61年に運転開始をしたもので、普通の家よりも狭いくらいの建物の中からゴーと唸るような音が微かに聞えてきました。建物は木造でその屋根の部分には苔のようなものに覆われ、これぞ環境にマッチしているという感じでした。

 この度もらった水力発電所設備一覧パンフは、岡山県企業局が持っている発電所一覧でしたが、合計6万1430kwの最大出力という規模です。企業局が持っている発電から得る収入は、岡山県の収入になるものです。その他、小水力はJA(農協)とか、土地改良組合などが持っているのもあります。これらからの収入は、農協組合員らの臨時収入に分配されていると思います。

 発電所は発電設備のメンテナンスの他、秋になって落葉の葉っぱなどが送水管に詰まらないようにするとか、積雪地帯では雪が詰まることがないようにする対策が必要だと思います。

 これらの電気出力は小さなものですが、小さなものほど小回りが効くし故障しても360kwくらいなら、代替えはすぐに可能だと思います。100万kwのような原子力発電が故障すれば、その代替え発電を持ってくるだけでも、たいへんなことですから。

 今は発電した電力は、すべて中国電力に売っているのですが、今年4月から電力の自由化も本格化しました。新電力にも売れるようになれば、ますます興味深い展開になるのではと思いました。

 宿泊した阿波温泉は、中国山地からの木材を木質チップにして、これを使ったボイラーで温めていました。その設備も見せていただきましたが、木質チップを貯蔵しているところからは、とても良い木の香りがしてきました。



300から260へ

 「300から260へ」と書いても意味が分からないと思います。3~4日前のNHKのローカルニュースが、「中国電力は平均的な家庭の電力使用量を300kWhから260kWhに下げた」ということを報じていました。

 僕の見た限りでは、新聞でこのことを報じたものはありません。中国電力のホームページを探しても、プレス発表でこのことがタイトルになっているものは在りませんでした。

 調べてみると6月29日に発表した「平成28年8月分電気料金の燃料費調整について」というものの中に、そのことを探すことができました。燃料費調整というのは、財務省が発表するこの5月の貿易統計発表を基に、原油、石炭、LNGといった燃料価格に基づいて、電気料金が安くなったり高くなったりするというものです。

 この発表の中で、○従量電灯Aのお客さまのお支払額について、算定の元となる電気のご使用量を「1月あたり300kWh」から「1月あたり260kWh」へ見直しました。と書いてありました。

 この300から260への書き変えは、電気使用量が減っているということを現していると思います。節電意識と節電電化製品の普及により、電気の使用量が減ってきているのです。だから平均値も下がってきたのでしょう。

 電気を使ってもらって儲けている会社ですから、本音では「どんどん使ってください」と言いたいのですが、いくらなんでもそうは言えないというようです。

 この前まで、中国電力本店には「節電にご協力ください」という懸垂幕が下がっていました。しかし20日に本店へ行った時には、この懸垂幕が在りませんでした。中国経済産業局が「この夏は節電要請を行わない」としました。ようするに使ってくださいということです。

 同じく6月29日というこの日、中国電力は「電力供給計画」というのも発表しています。これを見てまたまた驚きでした。昨年度の8月の電力供給予備率(送電端)がなんと14.4%でした。今年度は19.2%という見込みです。電力使用量の最も多いといわれている夏8月に、19.2%も電気が余っているのです。

 予備率というのは、供給電力量から最大需要電力量を引いて、その余り電力量の割り合いのことです。僕たちは真夏では5%くらいで安心というように教わりました。多くみても8%もあれば、十二分です。それが19.2%、これは余り過ぎです。

 供給計画では、10年後の2025年度の予想も書いてありました。なんとなんとこの時には、22.1%もの予備率を掲げています。言っておきますが、この数字には上関1・2号も島根3号も供給量にないのです。

 この「燃料費調整」も「供給計画」も、株主総会が終わった翌日の発表でした。株主総会終了まで待っていたという、彼らの戦略が見えてきます。



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